長田寮活動報告

平成18年7月25日〜27日に恒例となりました夏合宿が開催されました。
合宿地は世界遺産"熊野古道"で有名な三重県度会郡に出掛け、私たちは海に山に川に・・と自然を満喫、内容盛り沢山の充実した3日間を過ごしてきました。
それでは、その詳細を日を追って順に ご紹介しましょう。

平成18年7月25日(火)

 8:00  合宿に必要な荷物を乗せた後、私たちは宿泊地の大宮サイクリングセンターにむけて出発。
道中、春日井生のA君、Bさん、Cさんがバスレク係としてハリキリ、沢山のゲームやイベントを中心に盛り上げてくれました。おかげで皆、飽きることなく面白楽しい時を過ごすことができ、片道約3時間の道のりでしたが、気付いた頃にはもう到着。
11:00 今回お世話になる大紀町役場のスタッフの皆さんにあいさつの後、春日井生Dさんの"誓いの言葉"から、平成18年の夏合宿は始まりました。 長田寮生と春日井生を合わせたチームは全部で6チーム。この内、2チームずつに別れて初日は それぞれが担当する仕事を行います。

( 日本陸軍第十二師団チーム・君の胸にバキューンチーム 竹取り班 )

2日目にさかな釣り大会が開催され、昼食に流しそうめんをすることから、釣竿用の細長い竹と、そうめん用の孟宗竹を取りに向かいました。しかし、釣竿用の竹がある場所は“まむし”が最近よく出る・・
という情報があり、当初、釣竿も仕掛けも自分たちで作るはずでしたが今回は残念ながらレンタル
することとなり、メンバーは孟宗竹のみを
取りに向かったのです。

孟宗竹林はキャンプ地から徒歩5分ほどのところで、役場のかた2人の案内で竹取りが始まりました。
緑も濃い太くて立派な孟宗竹が沢山ありましたが、長田寮生、春日井生共にあらかじめ流しそうめんの設計図を作っていたことから、予定していた分だけを切り出します。
とは言っても、頭で考えているほど容易ではありません。
初めて使うノコギリやナタに苦労している子や、役場の方から竹の枝打ちは竹でするということを学んでもなかなか出来なかったり、やぶ蚊との戦いもありました。
ようやく切り出しを終えても次は加工です。
太い竹は半分に裂くのは力とコツがいって大変ですが
E君、F君、G君(OB)、がこの作業を担当しました。
H君、J君は竹の器を作ってくれましたが、この作業が一番大変だったのではないでしょうか。
ナント人数50人分の器を作ってくれたのです。
ひたすらノコギリとの戦い・・・Kさんは出来上がった器を水洗いしてキレイに並べる係りで、それ以外の子は竹のふし取りと、そのふしを限りなく無くすために削りと磨きをかけました。
どの子も夏の熱い日差しの中、大汗をかきながらの作業です。
全ての加工が済むと今度は設計図に基いての組み立てです。
ここまでくると順調に組み立て・・・
とお伝えしたいところですが、
理想と現実は違いました。
ふたつの設計図とも個性溢れる良いアイディアでしたが、実際に作り始めると竹と竹との接続や固定が上手くいかず、結局、ふたつの台を作るはずが一台となり、そうめんの流れ方も変化をつけず完成したものは、ただ長い・・・という特徴だけしかないごく普通の流しそうめん台が出来上がりました。
今回の流しそうめん台作りは詰めが甘い結果に終わりましたが、作業途中で皆が話し合いながら竹のジョイントを工夫したり、新たに竹で固定部品を作ってみたり・・と、苦労した分だけ沢山のアイディアが飛び交い、中身の濃い作業となりました。

( KIBANDABANDAチーム・君のハートにマイハートチーム 水汲み班 )

この2チームは炊事や煮炊きに使う湧き水を汲みにいくという仕事を担当しましたが、事前の合宿計画時、この仕事を担当するチームは明らかに大変である・・・という予想をたてていました。 湧き水と言うくらいですからそれは山の中に在ります。到着後自転車に乗り現地に向かうという予定ですが、ほとんど上り坂なので脚力・体力勝負になってくるからです。 片道6キロの上り坂・・・どうなることやら・・・と心配していましたが、数時間後、沢山の湧き水を入れたペットボトルやタンクを積んだ自転車を軽々とこいでいる生徒たちが帰ってきました。 私は「大変だったでしょ」と声をかけてみましたが、生徒は「大丈夫です」「平気です」と口々に・・私は改めて生徒たちの体力に感心しました。それどころか、この合宿で一番お世話になった水汲み班を担当してくださった大紀町役場の玉木さんが、子ども達を途中、鍾乳洞に案内してくれたらしく、探検をしてきたそうなのです。子どもたちからは「涼しくってビックリしました」や「湧き水が冷たくてホントおいしかった」などの自然の神秘や感動の言葉が沢山あがりました。

( 漆黒の薔薇チーム・魑魅魍魎チーム 野菜収穫と夕食作り班 )

この2チームは全チームがこの合宿で使う3日分の野菜を収穫するという仕事を担当します。
炎天下の中での収穫ですからこちらも大変・・・と思いきや、
水汲み班・竹とり班とは雲泥の差・・・
お世話になる農家の方が子ども達に大変良くして下さり、それは
至れり尽くせりだったと言うのです。
詳しい話を聞いて驚きました。
畑に到着後収穫をしましたが、その後、採れたての野菜で天ぷらをごちそうになり、ジュースもいただいて、今が旬のブルーベリー摘み・・をしてしかも食べ放題だったと言うのです。
加えて、あらかじめお願いしていた野菜以外にも、カボチャやスイカ・・・うりのようなかたちをしたメロンなど、珍しい野菜の数々と沢山の差し入れを頂き、なんとありがたいことか・・・・
みんな満面の笑みで帰ってきました。
今回の合宿は初日にそれぞれのチームが時間のかかる仕事を担当することから、昨年までのような 各チーム炊事をするというのではなく、漆黒の薔薇チームが初日の夕食のみ担当することになり皆の為にとれたての野菜でカレーライスを作ってくれました。
〈同行した魑魅魍魎チームは野菜収穫終了後、流しそうめん台作りの作業の手伝いで竹とり班と合流し作業開始〉

そんな時、先ほどお世話になった農家の方、瀬古六月子さんとその朝市のメンバーの方がキャンプ場の炊事棟にみえました。
なんと私たちのためにとれたての野菜でまたまた天ぷらを作って下さるというのです。
ただでさえ 熱い炊事棟での揚げ物は大変です。
ピーマン、にんじん、なす、手作りカボチャのコロッケとトウモロコシも茹でてくださり・・・
湧き水と採れたて野菜で作ったカレーライスにおいしい野菜料理の数々・・・私たちは身も心も豊になりそして満たされて至福のひと時を過ごしたのは言うまでもありません。
大紀町、朝市メンバーのみなさま・・・ありがとうございました。
子ども達も口々に・・「こんなに親切な人たちに会ったことがない。」
とか「いい人だー」「こんなにしてくれるなんて・・・うれしー」と朝市の皆さんを見送った後、みんな感動していました。


夕食後は体育館にてレクリェーションです。
今回はチーム別対抗ドッチボールですが、実はこの
勝敗と明日のビーチスポーツの結果や魚釣り大会によって最終日の昼食代金が決まります。昼食は帰りの亀山サービスエリアでとりますが、1位は一人当たり
800円まで使えます。2位は
700円、3位は600円ということで全チーム6チームありますから、最下位の昼食代は300円・・
しか使えません。
そのため各チーム力を合わせ皆必死です。
外部生も頑張りましたし
活躍しました。
第一日目の長田寮生と春日井生の混成チームでの対抗戦など、いろいろと組み合わせを変えてのドッチボールで何度も戦った後、この時点での結果は・・・・

《 ドッチボール大会結果 》

1位 日本陸軍十二師団
2位 君の胸にバキューン
3位 君のハートにマイハート
4位 漆黒の薔薇
5位 魑魅魍魎
6位 KIBANDABANDA

皆、沢山の汗を流した一日でしたが順番にお風呂に入り、その後は“今日の一日”という日誌を記入したり、明日の準備やらリーダー会議などで、それぞれが担当する係りや仕事をこなして、みな床に着きました。


平成18年7月26日(水)

合宿二日目、6:00起床でチーム別に朝食を済ませた後、いよいよ今合宿のメインイベント・・・ "魚釣り大会"の開催です。
会場の河川まではバスで約30分。
2年前に河川の透明度を測定したところ日本一に輝いた川で(今年は北海道)、水のきれいなことといったら感動ものです。
川についた私たちは先ずはじめに玉木さんから「これがエサとなるザザ虫で、まずエサ取からやってもらいます」という説明を受けました。
この現実を知った子どもたちはもちろん悲鳴(笑)。
しかし、エサをいかに沢山捕るかがさかな釣り大会の勝敗を決めるだけに、気もち悪い・・・などとは言っていられません。
餌捕りのコツを聞いた私たちは一生懸命ザザ虫捕りに励んだのです。

(ザザ虫とは・・・信州三大珍味のひとつで川に棲むトビゲラ、カワゲラ、トンボなどの幼虫をさし、 黒いうじ虫のようなものを想像していただければおわかりいただけるかと思います。
ザザ虫とは方言でザーザーと流れる川にいるから、ということでこの
名が付いたようです。
このザザ虫は油でいため、醤油、みりん、砂糖で味付けします。食感はコリコリとしてこうばしいそうです。
水中では小石を蜘蛛の糸のような繊維でかため筒状の巣を作り、ザザ虫はこの中にいます。)

エサ捕りに悲鳴をあげていた子ども達でしたが、コツもつかみすっかり夢中になっていました。
その後、玉木さんからザザ虫を針につけるやり方やつりのコツを教えてもらい、制限時間2時間で 大物賞と大漁賞を競っての魚釣り大会が始まったのです。
子どもたちはチームに分かれて先ずはポイント探し。
実はこのポイントこそが勝負の明暗を大きく分けたのですが、
その他にもあたりをとるタイミングがなかなか判らなかったり、
魚にエサをとられっぱなしだったりで玉木さんのご指導の成果が充分出せたのか?
しかし、みんな時間を忘れてさかな釣りにのめりこみました。
その結果は・・・


《 大物賞 》

1位 君のハートにマイハート 長田賢社長
2位 KIBANDABANDA 長田百合子さん オイカワ
3位 日本陸軍十二師団 E君 ウグイ


《 大漁賞 》

1位 日本陸軍十二師団 68匹
2位 KIBANDABANDA 67匹
3位 君のハートにマイハート 53匹
4位 魑魅魍魎 45匹
5位 漆黒の薔薇 36匹
6位 君の胸にバキューン 27匹

大物賞の社長は、ザザ虫でナント20cmは超えていると思われる鮎を釣りました。
鮎は普通石に付く水コケを食べる為、漁の仕方は"友釣り"か"かけ釣"になりますが、この現実に長年地元にいる玉木さんも
「ザザ虫で鮎を釣ったなど聞いたことがありません。」と驚いていました。 また、大漁賞も1位と2位の差はたった一匹・・・
勝負の世界は厳しいものです。


↑ざざ虫

ざざ虫を詳しく知りたい人は
上の画像をクリックして
ください。


お腹もペコペコになりお昼頃、私たちは宿舎に戻りました。
待ちに待った流しそうめんの時間です。
育ち盛りの50人のお腹を満たす為、用意したそうめんや冷麦は265束・・・!
一人当たり5束を食べる計算で皆で手分けして準備をしました。
昨日苦労して作ったそうめん台に水が流れ始め、竹で作った器に
めんつゆを入れ、ネギやゴマやショウガの薬味が加わり準備万端です。
そして次々に茹で上がっためんが流れ始めました。
流しそうめんでは必ずと言っていいほど途中で麺をせき止めてしまう子がいますが今回も沢山いました。
麺をせき止めて大きな麺の塊をつくり、みんなからブーイングが
あがるとその塊を放つのですが、 流れてきた麺は勢いがついていて
なかなかつかみにくく結局食べられなかったり・・・
でみんな 大苦戦です。
その間とても楽しく、そしてとてもおいしくいただけました。
みんなお腹一杯です。
今回、流しそうめんもさかな釣りも初めて・・という子がけっこういましたがみんな大喜びでした。


午後からは宿舎からバスで30分ほど行ったところに
錦向井ヶ浜海水浴場があり、ビーチスポーツと海水浴を楽しみました。 〈もうここまでくると、午前中のイベントをふたつもこなしているだけに、みんなテンションが 上がりっぱなし・・・・もうー大変です〉
そして、ここでのビーチスポーツ大会は恒例となりました

各種ビーチフラッグ
(砂浜でうつ伏せの 状態や二人三脚や海の中からなど、いろんな条件のもとで何人かでよーいドンでダッシュし、 数十メートルも先にある
ジュースを先に奪ったものが勝ち)と
サバイバル相撲
(相手チームとの勝ち抜き戦で、勝ち抜き残った者側のチームが勝ち)
の戦いです。
この勝敗も最終日の昼食に影響するだけにみんな一生懸命です。
みんな砂だらけになったり、海に投げ飛ばされたりで大いに
盛り上がりましたが、結果はここでも断トツで日本陸軍12師団の勝利!
となりました。
合宿二日間での勝敗は明白です。
完全優勝!パーフェクトに勝ち続けた日本陸軍12師団の優勝でした。
結果は・・・・〈カッコ内は翌日の昼食代〉


《 最終結果報告 》


1位 日本陸軍12師団チーム 〈800円〉
2位 君の胸にバキューンチーム 〈700円〉
3位 君のハートにマイハート 〈600円〉
4位 魑魅魍魎チーム 〈500円〉
5位 漆黒の薔薇チーム 〈400円〉
6位 KIBANDABANDAチーム 〈300円〉


平成18年7月27日(木)

合宿最終日は恒例となりました大掃除・・・
お世話になった方々へ感謝の気持ちを込めて、来た時よりも美しく・・・を目指し私たちは掃除に励みます。
また、この掃除はいつもやっている所とは違いますからマニュアルはなく、そんな中で、いかに効率よく的確に掃除をしていくことが出来るかの訓練でもあります。
昨年の掃除を例にあげると・・・
風呂掃除担当者が最初に手をつけたのは手前から・・・しかも、 先に排水溝を洗っていました。これは明らかに効率が悪く、最悪の場合は二度手間・・・
もう一度 手前からと排水溝の掃除をしなければいけない・・・なんてことにもなりかねません。実は、こんな些細なことがわからないし気がつきません。
ですから、場所や環境を変えて経験を積むことが大切になってくるのです。
今回の大掃除は日頃の訓練が生きているせいか特別大きな問題もなく、来た時よりもより美しい状態にまでなり、大紀町の皆さんに大いに喜ばれました。
玄関や居室もピカピカに光っていましたよ!みんなお疲れさんでした。
今回の合宿を振り返ると、近年にない全体的に良い内容の夏合宿だったと思います。
このところ長田寮生も春日井生も大変忙しい日々を過ごしており、春日井事務所の引越しや
野球大会への準備や出場・・バンドの練習に準備や発表会・・・ソフトバレーボール大会・・・ 体力測定・・・体育大会・・・各自の係りや仕事・・・高校・・各種国家試験と検定・・・
みんなこの時期やらなければならないことが山積しており、いかにミスなく計画しそして実行していくか・・・
みなひとりひとりが良く努力してくれました。
"苦労は買ってでも"とよく言いますが この数ヶ月、子どもたちにとっては大変でしたが
まさに成長の時であったと思います。
そんな中でのこの合宿、リーダーをはじめサブリーダーたちが力を合わせ、また、
それ以外の子ども達もリーダーを盛り上げる為に一生懸命協力してくれました。
まさしく一丸となって行動し、あるときにはチームのための行動をし勝利のために挑みました。
そして、何か問題に直面した時のリーダーたちの対応と行動が素早く、その結果全体が順調に
流れリーダーの指示どうりにまとまっていったと思います。
ただ、あまり褒めすぎてもいけませんので(笑)反省点をあげますと・・・

・水汲み班がペットボトルを持参したまでは良かったのですがフタ無しだった。
 やむを得ず指導員が持参したペットボトルと残りはラップとゴムで代用する。
・デジカメを持ってきたまではいいがバッテリー忘れる。指導員のデジカメを借りる。
・二日目の体育館を借りていなかった為、夜のレクリエーションが出来ないことが初日の夜にわか る。 生徒たちは二日間当然のように押さえてあると勘違いし、詰めの甘さが浮き彫りに。   仕方なく二日目の海のレクリエーションの時間を長めにとり調整をはかる。
・竹とり班は合宿中には必需品の防虫スプレーを寮に忘れる。
 数を充分に用意していたが全くない為、 現地調達となる。大変割高になってしまった。
・竹のふしを削る為に電動ドリルをお借りしたが、お返しせずその場に置きっぱなし。
 その内夕立が来てドリルの内側に雨水がたまる。
 これに気付いた指導員が慌てて水を払い乾燥。
 その後、 再起動できたが壊してしまうところだった。
・自炊棟での調理は大変暑かったがその中で調理をしている。
 こんなことが何故わからないのだろう・・・と思いつつも、その暑さが気の毒になって窓を開け るよう指示。

 まあ、このへんにしておきますが、これらを見ますとあってはならないとても重要なことに関しての ミスですし、ありえない確認ミスです。(窓あけに関しては別にして・・・)
この諸問題はリーダーの責任においてそれぞれ解決しなければいけないことです。
完璧などあり得ませんし忙しいゆえに気がつかなかった等いろいろありましたが、
この一大事に対しリーダーたちは 迷うことなく迅速な対応と行動を取ってくれました。
途中、選択ミスもありましたが、指導員からのアドバイスもあり、
適切な対策をとってくれました。
というわけで、今年の夏合宿もいろいろありましたが、中身の濃い合宿であったことは間違いないと思います。

長田寮生、春日井生、外部生・・・のみんな!ほんとにお疲れさまでした。
また、この合宿にご理解とご協力・・・そして沢山の差し入れをして下さった保護者の皆様・・・ 心を込めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
そして、海も山も川もある大自然豊な町にお住まいの大紀町役場の玉木さんをはじめスタッフの方々や朝市の皆さん。
この度はほんとうにお世話になりました。
沢山のごちそうに差し入れの数々・・・二日目の夕食時にいただいたあこや貝やアッパ貝や
にし貝はとてもおいしかったです。
おかげさまでみんな身も心も満たされました。



          



平成18年夏合宿も・・・海の幸、山の幸、人の幸に感謝です。 皆様ありがとうございました。



                           塾教育学院    日下部愛子

トップページへ戻る