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2003年7月

< 7月21日・月曜日 >
恒例となりました夏のサバイバル合宿も無事終わりました。
初日は福井県永平寺の名古屋別院 に出掛け"お山風"(福井県永平寺と同じやり方・・大変厳しい)という坐禅からスタートです。
坐禅とは・・文字通り坐る禅という事です。
ものごとの真実の姿、あり方を見極めて、これに正しく対応していく心のはたらきを整えていきます。そのためには心を一途に集中しなければなりません。
物事の表面の姿、形に執らわれて好き嫌い良し悪しの心の動きがあっては出来ないのです。
しかし、坐禅中に睡魔に襲われたり、足が痛いとか、かゆいとか・・・いろんな心の乱れが 生じます。
集中しなければいけない時に動くという事はどういうことか・・・それは・・・ 自分に甘い(自分自身に厳しくできない・自分に負けてしまった)という事です。
自分に厳しくすることは、なかなか難しいことですが、おのれのためです。
稟とした空気のなか坐禅は始まりました。
この時ほどお坊様が気の毒に思えたことはありません。
あちらこちらで肩に警策が当たる音が響き渡り、おもわずお坊様の手首が腱鞘炎にならないかしら・・・と心配になりました。この坐禅は1時間おこなわれ、その後ありがたいお話を聞かせていただきましたが、初日から子供たちにとっては自分との戦いです。・・・その後お堂で昼食をすませて、さあ!一路、私たちはキャンプ地でもある愛知県の知多半島に向かったのです。
バスに揺られて約1時間半、地引網会場につきました。
ふたてに分かれて寮生、外部生が力を合わせ地引網を引きます。
本来ならば80人前後で一網のところ、私たちは32人です。
大変重いという筈でしたが、そこは日頃鍛えている寮生です。かるくあがってきました。
タイ・舌平目・セイゴ・コハダ・あおりイカ・あじ・・・たくさんの海の幸で一杯です。
この合宿の条件の1つに、収獲したものはすべて使い切り、一匹たりとも無駄にしてはいけない という課題があります。
そしてレンタル代・食費もあらかじめ決められていて、その中で計画しなければいけない・・・という条件もあります。
子供たちも与えられた課題の中でチームごとに何度も、何度も話し合い一生懸命計画をしたのでした。
もちろんメニューもきめます。ですが たくさんの魚を使い切る献立といえば限られてきます。
刺身・魚のあら汁・魚のバーベキュー 魚のパスタ・中には、魚のカレーなどという恐ろしいメニューもありました。
お味は・・・ ご想像にお任せします。
お腹もふくれ、一息ついたころ私たちは"海の日"のイベントでもある地元の大花火大会に出掛けました。
日が暮れるころの海沿いの移動だけに、真っ赤にやけた大空と、まっしろな灯台とのコントラストがとても美しく、みんな感嘆の声をあげていました。
といっても、ある一部では・・「ここで女をくどいたら、どんな女でもおちるぞ!・・・」相変わらずのそっちネタです。 さあ、花火会場に到着しました。
頭上にあがる大花火ですが、地方での開催ということもあるせいか、人ごみもなく余裕で見ることが出来ました。子供たちの中には花火大会を初めて見たと言う子がいましたがこの子だけにかかわらず、みんなが五感を刺激された一日であったと思います。

< 7月22日・火曜日 >
合宿2日目です。昨日の流れとはうって変わって一日中運動をします。その名も・・・ "男になれ!男だ裸毛の体育大会"・・"オトコニナレ!オトコダラケノタイイクタイカイ"です。
午前中は4つのチームに分かれてビーチバレー大会です。砂まみれになり1人1人が頑張りました。
リーグ戦になっており当然のことながら勝ち進んでいけば優勝ですが、優勝チームにはポイントが加算され、2位3位と順にそのポイントは減っていきます。そして白熱したビーチバレーも無事終了したのですが、そのころ、偶然にも海水浴場でのイベントで"宝探し"が行われることを知りました。
もちろん全員参加です。
区切られた砂浜の一画に宝物を書いてある紙が埋められており、合図とともにいっせいに探しに行くというものです。
ジュース・フランクフルトソーセージ・アイス・・・さすが寮生です。
その闘争心と瞬発力は並ではありません。
全員がゲットしました。 昼食を済ませ、午後からは会場を変えてビーチフラッグ大会です。(砂浜にうつ伏せになって寝ころび、スタートの合図と共に立ち上がりダッシュ。
数メートル先の旗を取るゲーム) これも普通のビーチフラッグではありません。
ナント!6種類のビーチフラッグがあるのです。
@ノーマルフラッグ(25m)
Aロングフラッグ(50m)
B二人三脚フラッグ(20m)
C海の中からフラッグ(30m)
D借り物ビーチフラッグ
E穴埋めビーチフラッグです。
どれも 大変なのですが、とくに二人三脚は足場の悪い砂浜だけに二人の呼吸を合わせるのが大変でした。
Dの借り物も封筒の中には不思議な物が書いてあり、たとえば○○君の胸毛・・とか、海草を頭の上に乗せて走る・・とか骨折中の○○君の松葉杖・・とか○○君の脇毛・・などで借りてくること自体がむずかしい物ばかりです。
Eの穴埋めも、4チーム全員で負かしたいチームの穴を掘る訳ですから、相手が起き上がれないようにみんな必死で土盛りしました。
このビーチフラッグも得点制になっていて、上位より点数が加算されていきます。こうして"男だ裸毛の体育大会"も終了しチーム別の順位も決定しました。 優勝は"長谷川チーム"です。
このチームには優勝賞金としてナント!1000円が送られました。2位のチームには500円。3位はその日からの鉄板・飯ごうなどのレンタル用品を4チーム分すべて洗うというご褒美。
4位はその日からの風呂そうじとトイレそうじというプレゼントがつきました。
1位と4位は天と地の差です。1位メンバーはジュースにアイス・・と優雅なひとときを過ごしておりました。
4位は・・・ご想像におまかせします。
こうして夜になり・・・本日のメインイベント!・・一発芸大会が、特別審査員としてバスの運転手さんをお迎えし開催されました。
審査は指導員3人と運転手さんで、それぞれ持ち点が5点で4人の合計点で順位をきめます。この順位がこの夏の大掃除の場所決め順となるだけに、これもみんな必死です。
手品あり、ものまねありで、スゴイものから、くだらないものまでピンキリでしたが、ひとりひとりの個性が発揮されたとても楽しいひとときでした。   

< 7月23日・水曜日 >
合宿も最終日となりました。6:00に起床し朝食も済ませたチームから順に掃除に入ります。
本日の課題は実はこの掃除なのです。しかしただやればいいというものではありません。
より早く、効率よく、そしてきれいに仕上げなければいけないのです。
場所はチームごとに決っており(もちろん昨日4位だったチームはまたトイレにお風呂です)掃除の終了は指導員からのOK!が必要です。
掃く、拭く、磨く・・網戸の汚れやサッシの隙間のよごれ、トイレのきばみも相当なものです。
強烈な汚れが生徒たちの行く手を阻みました。
1時間2時間・・・ 時の流れは早いもので出発時間も押し迫ってきました。しかし指導員はなかなかOKをだしません。
「まあこれでいいかな・・・」はあり得ないのです。
そして9:30頃・・ようやくOKの チームがではじめました。そして4チームとも終わったのは10:00過ぎです。
OKが出てもこれで終わりではありません。チーム別にこの合宿の経費集計と会計報告を指導員にしなければいけないのです。
(余談ですが・・ここでのシャワーは、1人入ってやっと位の大きさで1回あたり200円です。しかもお湯が出る時間は5分間のみ。子供たちは与えられた200円を効率よく浮かすために分刻みでシャワーを浴びていました。ボタンを押すとお湯が出たり止まったりするのでその間に交代するのです。中には1回分の200円で4人入った子がいましたが、結局800円かかるところを600円浮かしたわけです。それでアイスクリームを食べていましたが4人で5分間です・・・ちゃんと洗ったんでしょうか?・・・想像を絶するものがあります。)
あわただしく時間も過ぎましたが、集合写真も撮り終えようやく11:00に出発しました。
後で聞いた話しですが、ここ中日バンガロウーの管理人のおばさんが昨年暮れに交通事故に遭い骨を折るなどの大ケガをされたそうです。
それからというものはあまり掃除も出来なかったようでしたが、私たちが何時間もかけてピカピカにしたものですからとても嬉しかったらしく、生徒達にとジュースの差し入れをいただきました。
お世話になったからこそ私たちはあたりまえのことをしただけなのですが、この管理人さんの心使いに恐縮しました。

<合宿を振り返って>
今回のサバイバル合宿は、食べるものが無くなれば海に行かなければいけませんし、薪が無くなれば山に行かなければなりません。生徒にとっても楽しい反面、厳しい3日間であったと思います。
目立った特徴としては外部生の動きの良さがありました。
しかしそれは何故かといえば寮生 の動きがいいからこそ、その背中を見ながら外部生が真似ただけで、そこには寮生の的確な指示があったものと考えられます。
また今年は長梅雨ということもあり雨の心配もありましたが合宿の前後が雨で期間中は快晴でした。
空の青、海の青、美しく雄大な自然にいやされ、満喫しました。そして花火や光り輝く満天の星・・・五感が養われ充実した3日間でした。
海の幸・・・山の幸・・・人の幸・・・に感謝です。

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