長田寮活動報告

 若葉が力強く芽吹く季節となりました。
ここ長田寮でも○○高校の2年生に7人が進級しA君が新一年生になりました。
◎◎高校のメンバーも全員が無事に進級し、中でもB君は出席・学業共に優秀である事から、
高校より"奨励賞"を頂きました。
今月も寮生全員が力強くスタートを切っています。
4月も沢山の行事がありましたが、先ずは4月12日開催されました球技大会からお伝えしましょう。

恒例となりました球技大会は毎年春と秋に開催されます。

今回も昨年の秋の球技大会以降、担当者が決まり、春の球技大会当日に向けて準備をするはず?でした。

しかし、球技大会自体は何とか無事に終了しましたが、蓋をあけてみると問題山積の球技大会で、その訳を幾つかお伝えしましょう。


・球技大会の準備やとりかかりが明らかに遅いため、それが最後まで全てに於いて影響した。
・保護者の皆さんへの案内も手紙で送る時間が無く、開催日の6日前にようやくファックスでな
 がす。
・春日井生の担当者との話し合いで段取りが悪く、時間が無いのになかなか結論が出ない。
・雨天の場合の対処が延期のみで(18日に延期)、天気は神頼み状態であった。(当日は体育
 館を 片面しか頼んでおらず、雨天の事を考え全面借りていれば、雨天決行と堂々と案内でき
 たはず。 逆に当日、もし雨だったら・・・
 8割がた外でのゲーム内容だっただけに、ずぶ濡れ風邪覚悟の 球技大会になるところだった
 。また、当日順延の際に保護者の皆さんにお知らせする手段が、当日の朝6時に電話連絡・・
 と決めていただけでここ止まり。 
 誰が連絡するのか、その手配は全くなし。
(時間がないことから仕方なく指導員が手配)
・ 当日、優勝チームにはマクドナルドのビッグマックセットとミスタードーナッツがつくはず
 が、ドーナッツの出金手続がなされておらず、ドーナッツは無しに・・・
 優勝チームかわいそう・・・
 MVPの賞品も用意していなかった。 
 他にも沢山ありますが、この辺にしておきます。


長田寮での指導方針の一つにいろんなイベントを生徒が担当し、企画・実行します。
指導員はその舞台を作り、演じるのは子どもたちですが、入寮してくる子の多くが、指示をしなければ動けない、指示をしても動けない、機転が利かない、要領が悪い、協調性が無い、工夫やひらめきが無い、先をよむことができない・・・etcというのが現状です。
この問題をどう克服し解決していくのか・・
その練習が夏・冬合宿や球技大会や各種イベントなのです。
担当者として決まった時から責任感が芽生え、目標に向かって努力するからこそ、達成感も得られ、感動があります。
そしてまたひとまわり大きく成長するわけです。
ですから私たち指導員も危険回避対策と最終的な確認はしますが、失敗が目に見えている企画であったとしても、身をもって経験しなければならない・・・
これも本人の為・・と必要以上の口と手は出しません。
生徒たちは何度も何度も同じ失敗をしますが、少しずつですが軌道修正し成長してくれています。
例えば今回の体育館予約も企画の取り掛かりが遅かった為に体育館の半分しか借りられず、 当日優勝チームに配るはずのドーナッツの手配がしてなかったり・・・
という、担当者にとってひとつひとつの失敗は大いなる反省点ですが、次に活かしてくれることと思いますし、そして他の子どもたちにとっても良い勉強になりました。
という訳で、いろいろあったものの大会は無事終了しましたが、今回の優勝チームは春日井生チームの圧勝に終わり、長田寮生も最後まで健闘しましたが力及ばずでした。
しかし、F君はサッカーで1ゲーム中に2ゴールを決め、3ゴール目はゴールのポストに当たってしまい、得点にはなりませんでしたが、もう少しでハットトリック! 
バスケットボールでもコートの中央あたりからの3ポイントシュートを決め、ドッチボールでもチームの勝利の為、全体をまとめる声かけをしていた・・・
ということで文句なしのMVPに輝きました。
春日井チームはバスケで活躍したG君が受賞です。

当日は保護者の皆様にはお忙しい中、はるばる○○体育センターまでお越し頂き、心より感謝申し上げます。
中には前日の19時から夜行バスにゆられ、長崎からおみえになったお母さんや、平日にもかかわらず、会社を休んで来て頂いたお父さん。
孫の顔を見に来てくださったおばあちゃん(お寒くありませんでしたか・・・)
子どもたちも喜び、そしてはりきっておりました。
皆様のお力添えに 心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
そして、今回の大失敗も失敗は財産です。
担当した生徒も謙虚に反省し、次に活かしてくれることと思います。


それでは次に4月24日〈月〉の課外授業の様子をお伝えします。
先月は食品サンプル作りに出掛け、テレビチャンピォンにも出場したという岡さんから指導を受け、ラーメンとパフェを作ってきましたが、今回も企画は全て生徒が立てました。
行った先は・・・"愛知牧場"です。

ここでジャジー牛の乳搾りと、アイスクリーム作りを体験しましたが、絞り方、つくり方はもちろんですが、この日、私たちは生命をつなぐことや当たり前の日々が、実は数多くの"いのち"のおかげで成り立っていること、なによりも生きる事の壮絶さを学び、改めて"命""生きること"について考えさせられた一日となったのです。
アイスクリーム作りを指導してくださった愛知牧場勤続7年の通称"とみちゃん"からのお話です。


「牛には人間と同じ様にいろんな性格があり喜怒哀楽もあります。
牛の寿命は約12年です。
メスの牛はミルクを絞るため、たえず妊娠している状態にありますが体を酷使しています。
お産は一生のうち4〜5回。産後のひだちが悪く、そのまま死んでしまう母牛もいます。
成長までに2年の月日を要しますが、ミルクが出なくなったら牛はと殺場におくられます。
オスは2歳になったら豊田市にあると殺場に送られます。
私は、こんなに一生懸命育てた牛がどういう最後を迎えるのかを知りたくて 社長に、と殺場の見学をお願いしました。
私は今までと殺場の職員の人達は、顔に剣があって嫌な感じの人達だと思っていましたが、
見学して みるとそれは全く違うことに気付きました。
みなさんひとりひとりが真剣で仕事も正確できっちりと、しかも迅速に対応していたのです。
豚や牛ができるだけ痛みを感じずに処理する方法や、その後5分以内に肉の分類の工程に入るところなどを見学しました。
私は中学2年生の頃に牧場の仕事を夢見て今があります。
どうか皆さん。スーパーには血もついていないきれいにカットされた肉や箱詰めされたミルクが売られていますが、そのまま簡単に調理できるし、それは無くてはならないものです。
また、交通事故や手術の時に必ず必要な止血剤も牛から取れる成分のおかげです。
今、普通にある毎日は当たり前の現実ではなく、生きるために牛をはじめ沢山の人々によって支えられ、その命はつながっているのです・・・。」



今回も私たちは体験学習後、お世話になった愛知牧場のスタッフのみなさんをはじめ、とみちゃんにお礼のメッセージを伝えました。
その一部をご紹介しましょう。



・僕の実家は肉屋の自営業ですが、こういう形で肉が送られてくるということなど、興味を
 持ったし、 初めて知りました。とみちゃんの一生懸命伝える姿は見習いたいと思いました。

・乳搾りはテレビとかで簡単にやっているのとは裏腹にとても難しくてビックリしました。
 アイスクリームも普段何気なく食べているものが、あんなに手軽に出来るなんてはじめて知
 りました。

・牛にも人間と同じ様に感情があり、けれども生かされてそして殺され、僕らはそれを手にして
 います。
 今までこんなに深く考えた事が無かった僕にとっていろんな事を考えさせられました。

・何気なく手に入る牛肉や牛乳は、牛が生まれてからとみちゃんみたいな優しい係の人に育てら
 れ、大切に大切にされてきた牛なんですね。今まで何も考えていませんでしたが考え方が変わ
 りました。

・生き物の世話をするということは楽しい事だけでなく、辛い事も沢山あると思いますが、
 だからこそ楽しい事があったときの喜びが大きなものになるんだと思いました。

・中二のときからの夢を実現させたこと、その仕事を7年も続けいろんな経験をしてそこから
 沢山のことを感じ取っているのには驚きました。(現在中学生)  

・牛も僕たちと同じ命を持って、子どもを頑張って産んで自分は力尽きてしまうかもしれないの
 に、 牛は頑張って生きているので、牛乳をただ飲むだけではなく感謝の気持ちを持ちながら
 飲みます。

・とみちゃんの話を聞いて感動しました。それで僕は牛に感謝の気持ちを込めて牛乳やお肉を
 食べるようにしていきます。 
 そして、牛など人間と同じ生物を大切にしていくようにします。

・正直、今日を楽しみにしていた自分がいたので、「死」についてお話を聞いたときにビック
 リでした。
 自分たちの「食」にかかわる生き物について、本気で考えた事が無かっただけに、聞けてよか
 ったです。 
 自分も進路という問題で考えている途中なので胸をはって仕事をしているとみちゃんが眩しか
 ったです。 
 仕事上、自分の嫌なことにあたる部分もしっかり考え受け止めて、さらに仕事にプラスしてい
 く部分を見習っていきたいと思いました。
 今回は本当に心に響くお話をありがとうございました。

今月も生徒のひとりひとりが沢山の人々に支えられながら前進しています。 

来月のイベントは5月初旬に愛知県ソフトバレーボール連盟主宰の大会に出場しますが、
練習は積んでいるものの、なかなか勝利には結びついていかないのが現状です。

しかし、今度こそは連勝を目指し頑張っていきたいと思います。

大会当日、応援にいらっしゃる保護者のみなさま・・・どうぞ気をつけてお越し下さい・・・。


                          塾教育学院   日下部愛子

トップページへ戻る