長田寮活動報告

5月も沢山のイベントが続き、子どもたちにとって今月も充実した一ヶ月でした。
先ずはゴールデンウィーク真っ只中に開催されましたソフトバレーボール大会からお伝えしましょう。

5月4日(木)五月晴れのこの日、ソフトバレーボール 15歳以上の部(トリムの部)に出場するため、私たちは大会々場である稲永スポーツセンター(港区)に向けて、"今度こそは!"の
闘志を胸に、午前8:00ここ長田寮を出発しました。
この日私達は4チームがエントリーし、一般の社会人チームなどを相手に戦いましたが、
結果は・・・・全チーム善戦したものの入賞には届きませんでした。
唯一"馬乗りバッファローAチーム"がセットカウントの末、惜しくも3位入賞を逃した・・・
というのが一番よい成績でしたが、どのチームも 精一杯プレーしましたし、お互い励ましあったり、懸命な応援合戦があったり・・・で、負けはしましたが子どもたちにとって有意義な一日で
あったと思います。
そして、二日後の5月6日(土)。
この日はソフトバレーボールでも初心者の部に出場するため、 4日同様、朝8:00に寮を出発し、今度は北スポーツセンター(北区)に向かいました。
長田寮から初心者の部にエントリーしたのは6チーム。沢山の初心者チームがAブロック・Bブロックに分かれてのトーナメント戦です。
この日もひとりひとりがベストを尽くして戦いました。
そして、一生懸命応援し・・励まし合い・・その甲斐あってか、結果は・・・
ナント!Aブロック・Bブロック共に1位に輝いたのです。
思い返せば・・平成17年の春から始めたソフトバレーボール。連敗がジンクスで、他のチームの ウォーミングアップのために出ているのでは・・・と錯覚してしまうほどの弱小チームでしたが、 練習の成果がここにきてようやく現れました。
みんな大喜び・・大はしゃぎ・・。
そして、当日、遠方より応援に駆けつけてくださったご家族の声援も、子どもたちにパワーを与え、皆様から頂いたエールが子どもたちに届き優勝へと導いたのだと思います。
大会終了後、ソフトバレーボール協会の名古屋支部長でもある尾関さんから、次のようなお話が
ありました。

「子どもたちの応援にはいつも感心するよ。バレーも上手になってきたね・・実はね・・・・
今までソフトバレーボール大会には15歳以上の部(トリムの部)というクラスは無かったんだよ。でもねそのままだったら君たちが出場できなくなる。
よく考えたらそれくらいの年代の子で参加したい子もいるはずだし・・・。
それじゃ15歳以上の部(トリムの部)をつくろう・・・・・・ということになって今があるんだよ・・・」

尾関さんは私たちの為にトリムの部という枠をつくって下さったのです。
私はこのお話をお聞きした時に、おもわず心の中で手を合わせてしまいました。
そして、

「子どもたちが目標を持つことが出来る場がある事に感謝しています。
子ども達のお父さん、お母さんに成り代わりまして御礼申し上げます。ありがとうございます。」

とお伝えしました。
不登校や引きこもりであった子どもたちが目標に向かって一生懸命努力する事は、とても大切な事で、努力するからこそ、達成感や感動が生まれます。
しかし、社会との関わりの中では、なかなか思うように実体験できないのが現状です。
尾関さんは出場枠の無い私たちのために新たな企画を始めてくださったのでした。
そして、このほかにもソフトバレーボール協会に杉原さんと言う方がいらっしゃいますが、杉原さんはルールや技術指導のために定期的に○○体育館に来られ、私たちにネット張りのコツや審判のやり方や練習の仕方・・・・などを親切丁寧に指導してくださいます。
先日も (5月17日)雨の中、自転車をこいで指導に来て下さいました。本当にありがたいことです。 (訓練日記:32号参照)
こうして私たちは沢山の人々に支えられて今回の優勝がありました。
このたびも大会関係者のみなさまをはじめ保護者のみなさまのご理解とお力添えにより、優勝
することが出来ましたこと、心より感謝し御礼申し上げます。ありがとうございました。
これからも私たちはこの優勝で満足することなく、更なる目標に向かって精進して行きたいと
思います。

《 Aブロック・Bブロック1位メンバー 》 A君・B君・C君・D君・E君・F君。



  それでは次にバンド演奏についてご報告申し上げます。
ここ長田寮では、学校や社会へ復帰する為の指導の一環として、学習や運動の他に課外授業を
行なっており、その内容も映画の製作や食品サンプルつくり・陶芸・坐禅・ボクシングなどといった独創的な体験学習を実施していますが、
最近の課外授業は生徒たちの情操をさらに豊かにする目的のもと、 バンド演奏を行なっており、全くの素人集団がインターネットで楽器を取り寄せる事から始まって、
チームで曲目を選びそれぞれのパートを決め皆で練習してきましたが、
子どもたちの努力によって ようやくなんとか聞くことができる演奏になってきました。
今から3ヶ月前、ギターやドラムやベースなど全く触ったことのない子どもたちでしたから、
楽譜が よめない子もいましたし、ギターの弦に指が届かなかった子や、ドラムで体力が続かず
息切れしてしまった子もいましたが、
子どもたちは週2回の練習(課外授業)のほかに自主的に練習に励み、 遂に、
7月16日(日)と8月6日(日)の両日にバンド公演が決定したのです。
少し前までは、布団から、部屋から、そして家から一歩も出られなかったり、人と会うのが
怖かったり、人目が気になる・・・話せない、友達が出来ない、etc・・・
であった子どもたちが、 今やボーカルにギターにドラムやキーボード・・同世代がうらやむほどのカッコイイバンドを組んでいるのです。
しかも、みんな時間を惜しんで練習をしています。
(この積極性を勉強にも向けて欲しいのですが・・笑)
時々、学校関係の方が見学にいらっしゃいますが、皆さん口々に「3ヶ月目とは信じられない」 「みんな堂々としていて素晴らしい」などと、お褒めのお言葉を頂いています。
(上手と褒められることは滅多にありませんが・・・・笑)
というわけで、みな一生懸命です。
また、今回、「仕事組」もバンドを組み練習を始めました。
仕事組は朝から仕事や車校や学校・・・と大変忙しい生活を送っていますが、
これにバンド練習が加わるわけですから超多忙になります。
しかし、そこは何せ「仕事組」ですから、それぞれの役割をきっちりとこなしていってくれる
ことと思います。
当初、仕事組は上記の理由からバンド不参加にしていましたが、バンド公演の話を知った仕事組
の お母さんから・・・
「おじいちゃん、おばあちゃんが孫の晴れ姿を見たい・・・と話しています・・・。」
と連絡が入り、これはおじいちゃん、おばあちゃんのためにも仕事組に一肌脱いてもらおう!
ということになり、結局、寮生全員参加となりました。
訓練生は3ヶ月前から練習を開始していますが、仕事組は残り1ヶ月しかありません。
練習時間も ありません。公演当日はウケ狙い?!の演奏になるかもしれませんが、
今は寮生全員が一生懸命です。

6月はバンド練習・体力測定・7月の合宿の準備・漢字検定(各種検定)・・・と相変わらず
忙しい日々が続きそうです。
気になる様子と結果は6月のお手紙でお伝えします。
今月もみんな(とても)元気に、そして、日々充実しています。



                           塾教育学院     日下部 愛子

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