長田寮活動報告

第1日目より
12月27日(水) スノボー初日。スキー場は御岳チャオスキー場です。
スキー場まで少年の家から、中型バス2台で向かいますが、バス会社の都合で一台は貸し切り、もう一台は普通の定期バスに私たちは分乗することになっていました。
しかも貸切バスは8:30に出発し(少年の家に配車)、定期バスは9:00ですが、
少年の家から徒歩で10分の停留所まで歩かなければなりません。
この定期バスには他のお客さんも乗っていますし9:00に乗り遅れたら、アクセスは無くなってしまうだけに、これに乗れないと大変なことになります。
私は諸手続きがあるため8:30に出発しましたが、9:00出発のバスのリーダーは昨日確認事項を
怠って失敗しているので、先ず8:30の貸切バスに乗車し、定期バスの乗り場を確認後
バスを降りて少年の家に走って戻る・・・という予定でした。
しかし、この日は日本列島に強い寒気が張り出し、昨夜から断続的に降り続く雪で、
雪不足どころか久々の積雪の為、チャオスキー場まで除雪車が入り、
しかも未だ通行止めという一報が入ったのです。
バスに乗り込みさあ!出発・・といった時でした。
残念ながら開通するまで足止めです。
予定では10:00開通とのこと・・1時間待ちぼうけです。
さあ、只今の時刻は9:00・・・この1時間をどうするか・・・
生徒の一人が「濁河スキー場に行けば・・・」とみんなに大きな声で話ました。
確かにいつも利用している濁河スキー場は歩いていけるところにありますが、
滑走可能かどうか未確認での提案でした。
当然のことながら指導員はすでに確認済みで不可能であることを知っています。
その事実を知った時、みな「・・・」
窮地に追い込まれたこの時、さあ!誰がこれからのことを考えて、どう動き出すか・・・
指導員はしばし待ちました。
そんな時、バスの中を覗いてみれば、暖かい車内でのんきにおしゃべりをしている10数人がいました。
運転手さんも子どもが乗っているからとエンジンが切れずに、しかもバスの扉は開いたままです。なんのための暖房か・・・
アイドリングにかかるガソリン代がもったいないですし、また、
排気ガスも環境に宜しくありません。
全く周りの空気を読み取れない子どもたちでした。
舞台をつくるのは指導員ですが、そこで演じるのは子ども達です。
みんなに沢山の経験をして 欲しいからこそ細かな指示はあまり出しませんが、
あまりにもひどい光景だったのでバスから降りることを指示し、
「今しか出来ないことを探しなさい。」とみんなに言いました。それでも「・・・」
やむを得ず・・・「ビンディングの取り付けの練習とか・・・新人に教えた?」
の提案でようやく新人指導が始まったのです。
通行止めによる待ちのおかげでこの時間を有効利用できましたが、
この時間がなければゲレンデに着いてから滑る・・・のではなく、
靴の着脱から始めなければならないところでした。
かなりの時間ロスがここで回避されましたが、例年通りに前日の夜にやっておけば、
この時間はまた一歩進んだ時間の使い方ができたはずです。
新人にビンディングの取り付けや歩き方、転び方、移動の仕方等、各チームごとに練習が始まりました。そして、9:45頃、定期のバスに乗車予定のお客さんがキャンセルされた・・・
ということで、定期のバスも少年の家に来てくれて私たちは2台揃って10:00の開通を目指して少年の家を出発したのです。
「あ〜ようやくスキー場に行ける・・」と安堵したのもつかの間。
一難さってまた一難・・・今度はバスが立ち往生してしまったのです。
チェーンが巻かれていてもタイヤが雪の深みにはまり空回りを始めたのでした。
実は、除雪が完了していると思って走りはじめた先はまだ完了しておらず、
どうやらチャオスキー場からその除雪が始まっているというのです。
その除雪車と合流するまでは雪深いまま・・・。
私たちは少しでも前に進もうと先ずは乗車する人を減らしました。
車体が軽くなれば動くだろう・・というよみでした。でも、タイヤはまた 空回り・・・。
次はみんなでバスを押し始めましたが、子どもたちはバスなど押したことなどありません。
みんな、楽しそうに、そして、声をそろえて押し始めたのです。
「せ〜の、せ〜の・・・」 そしてバスは動き始めました。 「ヤッター!」
除雪車と合流するまで手押しは続きましたがみんな、いいウォーミングアップになりましたし、
めったに出来ない貴重な体験をしました。
ほどなくして除雪車とも合流し、青い空に樹氷で光り輝く林を通り抜けながらバスはようやく
チャオスキー場に到着したのです。


<出発前>

<みんなでバスを押しているところ>

全体で打ち合わせの後、各チームごとに練習開始です!と言いたいところですが、
先にもお伝えした通り、ボードにはまだワックスがけをしていないので、
ワックスがけから始まりました。
寒い外で、濡れたボードに、ワックスを塗っても充分に乾かすこともできず・・・
残念でもあり、とても悲しい光景でした。

練習開始・・

新人にはスノボー指導係りが交代で付きましたが、
そこらじゅうでスッテンコロリン・・・ 理想と現実のギャップに加えて、
寒さと痛みを耐えながらのスタートです。
当日の天候は−2℃・曇りのち雪でしたが、この雪が粉雪で、ここに強風(日本中が大荒れ天気) が加わって横殴りの粉雪がまともに顔面直撃・・・
それは砂を顔面にぶつけられたような痛さで 私たちは閉口しましたが、
このような悪い天候の中でもみんな一生懸命練習していました。
このとき、小学生の女の子が「負けたくない!」としぼり出すような声で立ち上がろうとしていました。何に負けたくないのか・・・寒さ?みんなに?自分自身に?
小学生にとってボードはとても重く、これをつけたまま斜面を登らなければいけませんから、
非力な小学生にとって、とても大変なことなのです。
また、練習して間もない子たちはリフトに乗ってもボードで降りてくることが出来ませんから、
多少なりとも滑れるようになるまでは自力で重いボードを足に固定したまま登らなければなりません。立っているのも精一杯、バランスもとりにくいため、
練習といえども、かなり大変になってきます。
私は「負けるもんか」の一言を聞いて、改めて子どもたちがたくましく成長していることを実感し、とても嬉しくなりました。


<夜のミーティング>

 

<27日の失敗例・・これもほんの一部>

前日の夜ミーティングでリーダーから、食卓にバケツを置かないように・・・と注意があったにもかかわらず、夕食時にまたバケツと雑巾有り。 前日、おかずを他から持ってきてはいけないと注意があったにもかかわらず、今度は牛乳を 持ってきてしまう。確かにおかずではないが・・・しかも、余分にある牛乳を戻すこともせず、そのまま。(毎度のことに次の日の夕食から私たちの食事棚前には職員が立つようになる)
夕食後の体育館利用時間は18:30からと予定されていたが、「18:15から使います。」 と全体に申し送りがある。数分後担当者が慌てて再度18:30から・・と発表。「多分使えるだろう」と思って未確認のまま発表してしまったらしく、事務所に確認したところ15分からは使えないということが判明。そしてこのようなドタバタに。
職員の方から、"夕べの集い" 担当者は食堂に集合するようにと子どもたちに申し送りがある。
担当者4人は早速集合したらしいが、いつまでたっても集合したそのままで、不審に思った 指導員が聞いてみると、職員の人に全員集合したと言っておらず、職員はまだ集まっていないものと思い、お互いが延々と待ち続けた。寮の中ではミーティングのときなど教室に全員が 集合すると決まって「全員集合しました。」と報告に来てくれるが、環境が変わるとこの 状態・・・改めていつもと違う環境での合宿の意義を再確認。
毎日、夕べのつどい・朝のつどいに各団体長からの話があり、それは団体ごとに順番に回ってくるが、入所式・退所式・つどいの時に話をするよう指導員は生徒からの連絡を受けて おらず、(リーダー会議で決めなければいけないこと)突然、急に依頼される。指導員は慌てて話を準備し事なきを得たが、このミスを注意した翌日にまたやってしまう。
しかも、退所式の当日の朝、私が「まさかだけど"団体長の話"って、昨日みたいにまだ頼んでいませんなんてことないよね〜」と尋ねたところ、本人曰く「あっ!忘れていました・・・」 驚きましたが「ああやっぱり・・」というのも正直ありました。 こういうことはよくあることで、 つい最近、実際 にあった事例からお伝えしますと・・・ 

 12月末、バンドのプロモーションビデオを作製中、パソコンの調子が悪かったので近くのパソコンショップへ生徒と共に車で出かけましたが、その時、生徒が店員さんにお尋ねすることがあったらしく、私は料金を本人に渡して車中で待機する旨を伝えました。程なくして買い物も終わったらしく生徒が車に戻りましたが、私はせっかく遠出しているだけに「買い忘れ・・とか何かない?」生徒は「はい」。私はしつこいかとも思ったのですが「本当にない?」ともう一度尋ねました。「はい。ありません。」それでは・・・ということで車は走り出しましたが、そのときです。「あっ!ありました。」「えっ!なに?なに?」「お釣りと領収書をもらってくるのを忘れました。」・・・こういう時、普通なら驚くべきことなのですが、この寮ではよくある事なので、妙に自然体の私がありました。

ほんの一部コーナーもこの辺にしておきます。

 そして第3日目へ

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